Metamorphosis

躁鬱日常変化の定点観測

過去が襲ってくる

家の中で家事をしていると、昔に犯した細かなミスを思いだす。

それは、私の返答が最適なものでなかった事だったり、呼びかけてはいけない状況で呼び止めようとしてしまったり、やらなくていい事に精を出して悦に入っていた時の事。

他の選択肢を選んでいれば、現在こうなっていなかったかもしれないと考えるときりがない。

しかし後悔や贖罪の念が止まらなくなる日もある。

たいそう昔にやり取りした、当時友人関係であった人々とのLINEのトーク履歴を見て、連絡が取れる人がとても少なくなってしまった事実を認識して、認識した時には勝手に声が出ていて、奇声を発し始めた。

奇声をあげながら家事をした。

右手があり、左手がある。

それらは勝手に洗濯物をたたんでいく。

離人感だ。いま私は1人なんだ。と気がついてしまった時にはその場にはいられなかった。

 

外に出て銀行に行き毎月のやりくりをした後、イオンに行ってフードコートでひと休み。

元気が出ない時にいつも買う自販機で、いつものようにモンスターエナジーをタッチし(これは液晶画面式だ)、交通系マネーを選択し、左手首のApple Watchを押し当てる。

ピピっと鳴ってから落ちてきたモンスターエナジーを取り出して、辺りを見回しながらなるべく静かな、人の少ない方に座る。

多少めまいが落ち着くまでモンスターエナジーを飲みながらツイッターを見る。

何を買うわけでもないが上の階に向かう。

フードコートより静かだが時計売り場のアラームが一つだけ鳴っていたのが気になって通り過ぎる。

本屋でいくつか立ち読みをする。

普遍的な価値観、それは健康、効率化、愛情、劣情などなどありふれたテーマの本が並ぶ。

立ち読みをするときはだいたい目次から、この本は何が言いたいのかを感じて、巻末から誰がどのような目的で作っているのかを考える。

そうすると中身の細部を読まなくても大体の主義主張がわかるからだ。

そして、その本が誰に向けて作られたのか、読者ターゲット層またはペルソナを考えた時、これはなんのために存在しているか理解する。

そして理解した時、その本は私には刺さらないと思って元の位置に戻す。

この作業は毎週行われる。

 

めまいを感じ、本屋を後にする。

先ほど気になっていた時計売り場のアラームは、やはりまだ鳴っていて、どうしても止めずにいられなくなって誰が鳴っているか一面の時計から探す事にした。

右耳、左耳を向けて移動しながら、やっと止めることができて、小さな満足感のあとベンチに座った。

 

ベンチは良い。

雑音や人の気配で気が散って現在に思考を留められる。

この記事は現在に意識を留めることで書くことができた。

さて、家事の続きをしよう。