「他人の無価値、私の価値」
ダブルベットのスプリングに亀裂が入り、煎餅布団で寝たらとてもよく寝られた。
20代最後の日の目覚めとしてはとても良かった。
テレビでは元号が変わる話で持ちきりで、誰も3月の話なんてしていない。
3月30日が誕生日の私にとってはいつも通りだが、この時期は新年度、新学期に向けての話ばかりでみんな忙しく4月にばかり気が向いている。(当たり前だ)
洗濯が終わって干している間、過去10年を振り返ってしまった。
10年経っても、大人になれなかったな。(何をもって大人になれるのか)
27歳の頃に作った趣味のYouTubeチャンネルとブログは、勝手に伸び続けているから今日終わらなくても、必ず終わらせる。
10年前、10年後の自分が2度目の休職して茶髪ピアスで限界状況に悩んでるなんて想像もしなかったろう。
家にいても落ち着かず、外へ出た。
近くのイオンで今晩見る映画のチケットを買い、ふらふらと本屋や玩具コーナーを歩く。
いつも何か手に取り、諦めたように元に戻す。それは本が言わんとしていることを予測してしまってつまらなくなるから。玩具を買うのが大人気ないから。
もしくはそれらを買ったところですぐに飽きるのがわかっているからか。
何故それを買ったのか理由を聞かれた時に「なんとなく」としか答えられないからか。
買わない客は客じゃない。
居場所がないような気分になって、とりあえずフードコートへ向かい何かを食べようとする。しかしその何かが違う。食べたくない。
結局とりあえず気分を高揚させるために(そういう成分の入っている)モンスターエナジーを買ってフードコートの一番端っこで震えながら飲んだ。
居場所がない。
たまらず逃げるように外に出て走った。
居場所がないなら逃げればいい。
財布も持っていなかったがそのまま駅に向かった。
行き先は決めていない。
コイントスで決めよう。
表なら上り電車
裏なら下り電車
結果は裏
下り電車へ乗り込み川越へ
電車内でTOTOのCMがやっており、気まぐれに、駅に着いてからコイントスで使った100円でくじを買った。
運試しだ。
結果はハズレ
でも気分は良くなった。
私は、今までやったことのない「ギャンブル」をやったのだ。
今までの自身の価値観では考えられない。
ギャンブルをするなんて確率的に愚かだと思っていたから。
私の殻を一つ破ることができたのだ。
他の人にとっては、換金のできないハズレくじなんて無価値なのかもしれないけれど、私にとってこの一枚はとても価値のある一枚となった。
なんとなく、今のこの感覚を書き留めたくなってコンビニのイートインでこれを書いている。
さてこのあとどうしよう。
1時間後に自分が何をしているか予想がつかない。